写真館 二千年一夜

























































































































六島の水仙
岡山県笠岡市
2006年1月29日





六島(むしま)は、笠岡市笠岡港から約40kmの瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島最南端に位置する周囲4.3kmの有人島。
島の大石山の山肌一帯に自生する水仙と、岡山県で最初に設置された六島灯台で岡山県内では有名である。
現在は、建網や定置網、ノリやフグの養殖が営まれている。
島内のあちこちに水仙が自生していて、1から2月には可憐な花を咲かせる。
また、横溝正史原作の映画「獄門島」の舞台となったのもこの島である。
〜岡山県HP参照〜


〜goodtimeの追想〜

寄島町で撮影した後、8時00分に笠岡港に到着。
近くに観光客用の無料駐車場に辛うじて1台止めるスペースがあった。
切符を購入していざ乗船。
初めて利用する港で初めて乗る船なので船好きにとっては堪らないドキドキの瞬間である。
外は天気も良く穏やかな海が広がり、寄島で撮影した朝日も随分上がり眩しく輝いていた。
1時間かけて真鍋島へ到着。
何とここで船を乗り換え。
電車の乗り換えは当たり前だが、船の乗り換えは初めて。
30分ほど時間があるのでちょっと島内を探索。
真鍋島からさらに20分かけて、10時10分頃にようやく海の秘境である六島に到着した。

六島は1日1本しか便が無いため、地元住民、観光客など10名ほどの乗客が最初で最後となる。
団体客がいないのでのんびり撮影出来そうだ。
まず灯台を目指して山道を歩くと、先ほど下船した前浦港が見渡せる場所がある。
この斜面に水仙をたくさん植えており、背景の青い空と青い海が見事に重なり合っていた。
久々に見る水仙と水仙の甘い香り。
他の群生地に比べると規模は小さいが、この風景を見ているだけで心癒される。

小径から5分ほど歩くと灯台に到着。
ここから見る瀬戸内海もまた美しいが、水仙はあまり植えていないのが残念だった。
帰りの船の時刻は15時10分。
行きもそうだが帰りもこの便が最初で最後である。
時間はたっぷりあるので島を一周してみることにした。
そんなに大きな島ではないので日頃の運動不足を解消するには丁度良い。

12時30分、撮影時間をいれて2時間くらいで島を一周。
朝ご飯を食べ損なったので期間限定でオープンしている食堂
(と言っても、公民館でうどんを作っているだけ)で、うどんとお稲荷さんを食べた。
お稲荷さんの中にひじきが入っていたが、地元で取れたひじきらしくお土産用に売っていた。

昼食後、時間がまだあるので再度灯台へ行ってみた。
山の斜面の小径は、少し陰り気味だったので午前中に撮って正解。
灯台では、観光客がご飯を食べている人、写真を撮っている人、絵を書いている人、
昼寝をしている地元の人・・・
とっても素朴で何にも無い島だけど、きっと他では無いものがこの島にはあると思った。

出港30分前、前浦地区をフラフラ歩いていると唯一お金で物が買える商店を発見。
お金の使い道は、この店だけかもしれない。
小さな島でも小学校はあり平成19年には4人ほど入学予定があるらしい。
ここの子供達は何を見て育っていくのだろうか。
一周してわかったが、島の半分以上が山道の遊歩道になっており車が走れる道はわずか300mあるかどうか。
車も1,2台ほどあるだけ。
免許はいるのだろうか・・・市道じゃなければ免許はいらないのか!?
消防団はあるが派出所はありそうにない。
診療所はあるが医師が来るのは週に数回だとか。
地元住民より猫とすれ違う方が多かった。
そんな猫たちの体型を見ると、どうやら幸せそうに暮らしているようで島の温かさを感じた。
滅多に見ない人影にご飯をくれるのと勘違いしたのか、たくさんの猫がゾロゾロと寄ってきたが、
くれないとわかるとすぐどこか行ってしまった。
最終便(と言っても最初で最後の便)までの間、
波の音を聞きながら海を眺めていたが、時間が経つのを忘れてしまいそうな、
まるで時間が止まったような時間を過ごしていた。
そうこうしているうちに船はやって来て、やはり今朝見た顔ぶれの乗客達と乗船。
15時10分、前浦港を出港した。

帰りもやはり真鍋島から乗り換え。
そして1時間以上の待ち時間。
真鍋島には映画のロケ地として使用された木造校舎もあるので
時間潰しに観光すると良さそうだ。
島内を探索するが、六島より少し賑やかな島だがどこか寂しさを感じた島でもあった。
16時25分、船が到着。
乗船する客の中には学生もおりきっと土日を利用して里帰りでもしたのだろうか。
見送りする島民の姿もまたどことなく寂しいものがあった。
17時37分、笠岡港に到着。
笠岡港から出発して戻ってくるまで、まるでタイムスリップした昔の記憶のように思えた1日だった。





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