写真館 二千年一夜




10月8日撮影


































































尾道水道月灯り
広島県三原市
2006年10月9日

筆影山の南西に位置し、テレビ塔のある山が竜王山です。
標高は、445mで二等三角点があり、山頂付近は、いこいの森として整備され桜の名所です。
展望台からの眺めは実にすばらしく、晴れた日には四国山地が遠望でき、
しまなみ海道の10橋のうち7つの橋を見ることができます。
竜王山の展望台から眺められる多島美は瀬戸内海随一と評され、
1950年、瀬戸内海国立公園の一部に指定されました。
〜三原市HP参照〜


〜goodtimeの追想〜

ー10月8日ー

竜王山といえば瀬戸の多島美が楽しめる展望スポットで有名だが、
尾道水道を月灯りで染まる絵が撮れないものかと考えたことがあった。
尾道水道も近くで見れば風情があって良いが遠い竜王山から見れば何気ない光景。
それを望遠レンズで尾道らしい、いや意外な尾道の一面を狙おうという作戦。
事前に月の昇る方角をチェックして理想の絵に仕上がる予感がした。

久々に竜王山に着いたのは17時50分くらいで、車が数台止まっていたので先客のカメラマンかと思ったが、
どうやら観光客のようで夕暮れの瀬戸内海を見届けて帰っていった。
予定では、18時15分頃に月が出るはずではあるが、生憎の雲で時間が遅れている。
方角にして72度。
予定から15分くらい遅れてようやく月が顔を覗かした。
月の動きは肉眼だとあまりわからないが、望遠レンズで見るとかなり動きが早く、
フィルム撮影だと月の動きにシャッタースピードが追い付けなかった。
空が明るいうちの月出だと撮影出来たかもしれない。

理想は尾道水道の方向に月が適度の高さに位置付くことだったが、
時間が経つにつれて尾道水道から離れて行き、
理想の絵とは少しかけ離れた結果となってしまった。
明日の天気に期待して今日は早めに下山した。


ー10月9日ー

昨日に引き続き、今日も尾道水道月光撮影を行う。
今日の月の出る予定は昨日より1時間遅い19時過ぎ。
出る方角も64度と昨日より8度も違うことに驚いた。
今まで月の出る方角や時間など気にすることは無かったが、
太陽と違って1日でこうも差が出るとは知らなかった。

今日も雲がかかっているようで19時を過ぎても月は出てこない。
予定より15分過ぎたくらいにようやく月が顔を見せるが8度も方角が違うだけで予想外な位置から顔を出してきた。
やはり月の動きは早い。
月を撮っていて面白いのは、レンズを見ていて斜めに上がっていることがわかるので、
時間によって月光の位置が変わっていくこと。
昨日は、尾道水道より右側に月が上がり徐々に離れていったが、
今日は左側に上がったので徐々に尾道水道が月光に染まり、
この光景を頭の中で描いていただけに月の上がる位置はまさに嬉しい誤算なのであった。
長年尾道に住んでいるが、尾道がこのような姿になることを私以外に誰が想像しただろうか?
「尾道」の名前の由来は、いくつかあるらしいが、
この光景を見ると、「海の尾の道」だったのではないかと思ってしまう。
「月の光に照らされる黄金色に染まる尾の道」の方が何だか浪漫があって良いような気がする。

私事ではあるが、写真のまち尾道四季展フォトコンテストにて新尾道百景賞という、
何とも微妙な賞を頂きました。
普段は賞レースに参加しないのですが、尾道水道を月灯りで染めてみようという遊び心の発想と、
少し変わった尾道の風景を多くの人に見てもらえればと思い応募し、
個人的には大賞を狙っていたのですが、このような結果になってしまったのが残念です。
ただ授賞式には、多くのカメラマンから「どこから撮影したのか、どうやって撮影したのか」
など多くの問い合わせがありました。




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