写真館 二千年一夜



























































































































厳島神社世界文化遺産登録10周年記念イベント
ウォータースクリーン上映
広島県宮島町
2006年12月9日

厳島神社の世界文化遺産登録10周年を記念し、宮島沖の海上でウオータースクリーンの上映が行わた。
厳島神社大鳥居わきの台船から、高さ18メートル、幅40メートルの海水を噴き上げてスクリーンを構成。
毛利氏の下での繁栄を象徴する歌舞伎の様子や厳島神社の創建から現代までをレーザー光線と大型スライド投影機で上映された。


〜goodtimeの追想〜

7日の朝刊に衝撃的記事が目に飛び込んだ。
ライトアップされた宮島の鳥居の側にもう1つ鳥居が映し出され何とも幻想的な光景で、
記事によると厳島神社世界文化遺産登録10周年を記念したイベントらしい
今週土曜日まで上映ということで急遽宮島行きが決まった。
その日の夕方のニュースでも昨日のイベントの模様が放送されるため、
予約録画して撮影の参考としてチェックしておく。
海水で作られた18m×40mのスクリーンに、約10分間のショートフィルムを投影。
ショートフィルムなので次から次へとフィルムが変わっていくためスローシャッターでは撮影不能。
そしてウォータースクリーンの弱点は強風時は綺麗に映し出されないということ。
土曜日は生憎の雨模様で風も若干強い予報。
今の季節、ましてや海岸沿いで無風となるのだろうか?
撮影するには難しい被写体ではあるが10周年記念イベントだけにチャンスはもう無い。
良い条件下で撮影出来ることを祈ろう。

12月9日、天気は雨。
雨の日は渋滞するので電車で宮島へ向かう。
15時00分、桜も紅葉も花火も無い観光客が最も少ないと言われる12月に宮島上陸するのは我ながらどこか不思議な気持ちがするが、
そんな季節でも観光客は意外と多く、 季節に関係無しに世界文化遺産である宮島は観光客にとって魅力的な観光地となっていた。
桟橋を降りてイベントのリーフレットを貰う。
上映は18時00分から19時30分まで10分間の上映を4回。
海岸沿いを歩いているうちに花火大会でもないのに台船が一隻浮かんでいた。
台船の上には海水を散布する配管が組まれており、
鳥居とスクリーンとどのようにして絡めようか頭の中で構図を描いていたが、
台船が錦水館の前と鳥居から随分離れた場所に設置されていたので
自ずと新聞の記事と同じ構図となってしまうが、鳥居を絡めようと思えば選択肢は無かった。
最初で最後になるかもしれないイベントであり、新聞やニュースで大きく取り上げられたので
早くからカメラマンが場所取りしているかと心配して早めに来たが、見かけた三脚は1本のみ。
早めに三脚をセットすると邪魔になりそうなのでしばらく様子見することにした。

時間に余裕があるので、少し観光名所を散策。
小高い山からウォータースクリーンを撮れないものかと探してみたが、これという場所も見つからず、
小腹が空いたのでにぎり天で空腹を満たした。
予行練習なのか時々、ウォータースクリーンが噴水しており、
お蔭で本番前に構図を練ることが出来た。
時間が経つにつれて三脚も増え、イベントを知らない観光客は不思議に思ったかもしれない。
そしてイベントを知ると、ここが特等席だと思われる観光客も居たが、
残念ながらこの場所は観覧というより撮影向けの角度なので、
「この辺が綺麗に見えるんですか?」と聞かれ度に正面を勧めている。
正面に行ってスクリーンだけを撮るのも面白いかもしれないが、
やはりここは宮島。
花火が上がらなくても鳥居の呪縛からは逃れそうにない(笑)
辺りもすっかり暗くなってそろそろ18時が近づいてきた。
結局、宮島に来てから雨は一滴も降らず、風も無風に近い状態でありがたい。
廻りを見渡せば海岸線にズラリと並ぶカメラマンとその後ろにいる観光客の中、
18時00分、鐘の音が鳴り響いた。(鐘は音響)

フィルム上映は約10分。
その10分間で宮島の歴史を振り返った。
宮島建立した593年。
争いの耐えない1168年。
燃え盛る宮島の映像に激しい音響、刀、矢のレーザー光線が飛び交う。
長い争いが終わった1555年。
宮島の伝統文化が映し出される。
世界文化遺産となった1996年。
壮大な音楽に乗せて自然豊かな宮島や水中花火の紹介。
終わってみればとても素敵なフィルム映像だった。
ただ2秒から3秒でスライドしてしまうので撮影結果に期待は出来ないが、
残り3回の上映に挑む。

20分の休憩を挟んで次は18時30分に再び上映。
他にこれという場所が無いのかカメラマンは殆ど動いていないようで、
やはり鳥居の呪縛から逃れられない。
前回の反省を生かして、比較的静止時間が長いフィルムを押えて冷静にシャッターを切る。
2度目の上映が終わると、廻りのカメラマンは満足したのか徐々に減っていった。
デジカメはその場で撮れ具合が確認出来るので、同じフィルムを何度も撮影する必要は無いからである。
個人的には手ごたえはあるものの、一応3度目の上映で補正撮影して終了。
せっかく記念すべきイベントなので、最後の上映は正面から鑑賞。
大勢の観覧客の拍手によりスライド上映会は幕を閉じた。

宮島には花火大会で毎年1度は訪れており、すっかり景色に慣れてしまっていたが、
今回のフィルムを通して改めて宮島の歴史と素晴らしさに触れたような気がした。





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